裸婦の目触れろ、白蝮踏め

安酒と薬にどっぷり漬かってラリりながら書いてるオナニー文章です

ボクの終戦記念日

もう一度見たかった花
もう一度聴きたかった曲
もう一度会いたかった人
もう戻らない日々、何度でも押し付けられる償い
未来をゴリゴリ削って消化して、それでも足りないお支払い

2018-夏
ある日突然、自分の人生が8月16日に終わると信じて疑わなくなった

その日で人生は打ち切り打ち止め、その先は全く考えられなくなってしまった
不思議とそれに疑念や不信感を覚えることもなく、私の脳はきっかり16日に終わる残りの人生をどう生きるか、という計画に焦点を当て始めていた

死にたいでも死んでやるでもなく、本当に死ぬ人が見ている景色が見えていた


痛いの嫌い、死ぬのは怖い
それでも私に8月17日が来ないことだけは分かっていた
カレンダーの下半分を切り取ったように、その先がストンと途切れてしまっていた


そしてその日が訪れた
どうでもいい人と京セラの阪神広島戦を観た
内容は忘れた、どうでもいい試合だったので
だけどいい試合だった
人生最後の野球にふさわしい試合だった

どうでもいい人はどうでもいい私にうどんを奢ってくれた
二週間薬の糖衣しか味わっていない私の胃には難しい量だった
どうでもいいうどんはどうでもいい味がしたけれど、
口に苦しの良薬よりは美味しかった
きつい薬よりずっとずっと心に効いた
どうでもいい人は、駅で私が電車に乗るまでずっと恋人繋ぎで待ってくれた
今にもフラリ阪神線に飛び込みそうな私を、ぎゅっと掴んで留めてくれた

どうでもいいわりには、どうでもいいなりの責任を全うしてくれた

どうでもいいくせに、どうでもいいくせに


それでも私の意思は変わらなかった
変わるはずがない、これはきまっていることなのだ
目に見えない何かの力に突き動かされるように私はロープをくくった
隣の家の犬がやたらうるさく吠えていた