裸婦の目触れろ、白蝮踏め

安酒と薬にどっぷり漬かってラリりながら書いてるオナニー文章です

無敵の天才神童は中二で朽果てた

素数を見つけた人。
電気を光に変えた人。
文字を思い付いた人。
生物の体が、細胞の分裂によってできたと気づいた人。
ある論学の矛盾点を指摘した人。
患部を切り開いて疾患を取り除けば解決すると考えた人。
なにがどの薬になるか、試してみた人。
予想だにしない着想の絵画を納めた人。
武器を作った人。
お金を作った人。
コンピューターを作った人。
スポーツで人間離れした記録を残した人。


「神童」


ぼくは小学生の頃から、周囲から浮いた存在だった。
わかってるさ、みんなぼくの才能に嫉妬していた。
勉強なんてしなくてもテストは毎回花丸満点、50m走は7秒台前半。頭の回転が早くてリーダーシップもあるから、児童会の役員をやってた。読書が趣味で博識多才、料理をさせたら同学年のなかじゃとてもとても右に出るものはいなかった。
顔もそれなりにかわいいし、肌も白くてほっそりしてる。よく食べるし、よく笑う。
周囲の母親たちからはこう呼ばれていた。
「神童」と。

「天才」ではなく「神童」_____。

そう、今思えば全部「中途半端」だったんだ。
神様にすべてをバランスよく、偏差値60ずつくらい与えられた最強無敵少女、それがぼくだった。

ぼくはその才能にかまけて、努力をしなくなっていく。ソフトボールをやめ、ダンスをやめ、キックボクシングをやめた。

そして中学に入って、何だか自分の存在に「違和感」を感じるようになる。
受験期に差し掛かるまでは定期テストで満点を目指せばいい話だったが、ここからは違う。見ず知らずの、授業もしていない人間が勝手にレベルを推測して作ったテストで満点を目指さなければならないのだ。
範囲が広すぎて一夜漬け(それどころか登校の10分で詰め込む)ことも、山を張ることもできない。

そこからだった。

努力組に幾度となく涙を呑まされるようになったのは。

小学校6年間で染み付いたのは、
「ギリギリでもなんとかなる」
「努力して取る満点より、努力はせず努力したときの期待値を残して取る80点のほうが価値がある」
というひねくれた価値観だった。
努力をしないためならどんな狡いことだってしたし、カンニングしやすくするためにわざとテストの日に遅刻して別室で受験したこともあった。


そして、ぼくは公立高校を落ちた。

私立の大学付属高校で、ゴミ担任からの人格否定を受けて鬱になった。
おまけでADHDという病名もついた。



幼少期あまりに不出来なことがなさすぎたためこの歳まで気づかなかった。
皆さんの周りにも、「神童」はいませんか?
ぼくが知っている神童の方々は、ほぼ全員同じ道を辿っています。どうか、軽々しく餌をあたえないでください。